荷物の順番

「さぁ、降りるぞ」
ピンクの水玉模様のリボンの付いた麦わら帽子を、娘の頭に被せ直し、私は大きなバッグを肩に提げた。
妻の恵美子が、娘と手を繋ぎ、私の後に続いて下車する。
白いペンキが塗られたホームの外柵に沿って背の低い貧相な向日葵が数本咲いている。
向日葵というおおらかな花が、どこか侘びしく感じられるのは私の心持ちのせいだろうか。

双葉文庫「こちらの事情」より

家族草子

そこにはいつも『家族』がいる。

「家族草子」は、森浩美が描く家族小説を森自らが戯曲化し、それを総勢10名程の演者とギターやピアノなどの音楽を交えて創り出す空間です。演者は本を手にしていますが、椅子に座ったままではなく舞台上を動き回ります。そこが所謂、朗読会や朗読劇とは異なります。ご自宅の居間でテレビドラマを観ているような感覚でご覧いただけます。そして何よりの特徴は、上演されるすべての作品が「家族」にまつわる物語です。見終わっていただいた後、きっとあなたの心の中に「家族」への想いを感じていただけるものと信じております。

家族草子主宰者 森 浩美作詞家・作家。
田原俊彦「抱きしめてTonight」・森川由加里「SHOW ME」・SMAP「青いイナズマ」「Shake」「ダイナマイト」・Kinki kids「愛されるより愛したい」・ブラックビスケッツ「タイミング」等、作品総数約700曲。
また、家族を題材にした「家族の言い訳」「こちらの事情」「夏を拾いに」「ほのかなひかり」「こころのつづき」等のロングセラー小説多数。近著に「家族連写」「終の日までの」。

森浩美事務所 公式サイト moriss